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「いえ、嗅いだだけ、真っ暗なんですもの」「?」不思議な答えに眼を見張ると、水道は四條畷市 水道修理と含み笑いをしながら続けるのです。「だって、男つて皆んなよく匂うじゃありませんか」「煙草の?」「いえ、男の匂い」十八娘の鼻の微妙さは、トイレ修理でも想像はできません。「突き飛ばされて水に落ちてから、肩へ石が落ちて来るまでひどく手間取ったとは思わないか」「直ぐでしたよ。もう少しで潜りそこねて、頭をやられるところ」この娘の賢こさに、もう一度修理は両手を挙げて褒めてやりたい気になりました。「何んだって真暗になってから危ぶない池の側へ行く気になったんだ」それは修理には取って置きの重大な問題だったのです。「でも、私は、見て置きたかったんです」「?」「あの池に何にか沈めてあるに違いないと思ったんです。昼は人目について、うっかり側へも行けないから」「それは何んだ」「糸をつけて水の中に沈めたもの、——場所は水へ降りる段の右側、三番目の杭から、下へ長く引いた糸があるはずです」

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